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デジタル トランスフォーメーションの衝撃 第 1 回

デジタル トランスフォーメーションの衝撃
デジタル カンパニーへの変革が競争優位性を高める切り札に

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デジタルテクノロジーの活用を前提に誕生した「デジタル カンパニー」が新たなビジネス モデルを武器に、あらゆる業種で市場を席巻しています。既存の企業も、市場の変化に対応するためには、自らがデジタル カンパニーに生まれ変わる「デジタル トランスフォーメーション」を推進することが求められています。マイクロソフトは、最新のテクノロジーやインサイト (知見) の提供を通して、デジタル トランスフォーメーションに取り組む企業を強力に支援しています。このコラムではマイクロソフトが考えるデジタル トランスフォーメーションの意義や目的、具体的な成功例、そして今後の方向性について取り上げていきます。

現在、あらゆる業界で最新のデジタルテクノロジーを活用した新たなビジネス モデルが新市場を創出し始めています。突然に現れた新しい競争相手が、それぞれの業界における既存のビジネス モデルを大きく変えてしまうケースもあります。急成長中の米 Uber や米 Airbnb はこの好例です。

金融業界における、「FinTech」と呼ばれる動きも同様です。投資家と借り手を Web サイト上でマッチングするサービスを提供する米 Lending Club、インターネットを利用した決済サービスを提供する米 PayPal、個人間の国際送金をマッチングする英 TransferWise などが、既存の金融機関の市場を奪いつつあります。

こうしたディスラプション (破壊的変革) の原動力は、「第 3 のプラットフォーム」といわれるクラウドやビッグ データ、モバイル、ソーシャルを中心とした最新テクノロジーです。さらに、IoT、人工知能 (AI) 、仮想現実 (VR) など、これらの動きを加速する新しいテクノロジーも次々と誕生しています。

トランスフォーメーションしなければ競争に勝ち残れない

この数年、デジタルテクノロジーを活用して新しいビジネス モデルを創造した「デジタル カンパニー」が、伝統的な企業を脅かしつつあります。数年以内にデジタル トランスフォーメーションを実施しないグローバル企業は、競争に生き残ることは困難――米国の調査会社 IDC もこう指摘しています。

このような状況は企業にとって大きな脅威ですが、逆にチャンスとも言えます。デジタルテクノロジーの進化と自社の強みを融合すれば、大きな武器を手に入れることも可能だからです。実際、プライスウォーターハウスクーパース (PwC) が発表した第 18 回世界 CEO 意識調査によると 86%の CEO (最高経営責任者) がデジタルを経営の最重要テーマに掲げています。つまり、デジタル戦略が競争力を高めるための重要な施策だと認識しているのです。

日本でも、既に業界内で確固たる地位を築いていながら、デジタル トランスフォーメーションに取り組む企業も少なくありません。例えば、コマツやキヤノンが、自社の製品である建機や複写機にセンサーを埋め込み、顧客における稼働状況のデータをインターネット経由で収集。膨大なデータを分析することによって不具合を予見し、故障が発生する前に保守を行うといったサービスを提供しています。いずれも製造業が、最新テクノロジーを活用した新サービスで競争優位性を高めている事例です。

顧客企業の「知」のシステム化を支援

ただし、デジタル カンパニーに生まれ変わることは簡単なことではありません。人手の作業を前提としたアナログの業務プロセスやビジネス モデルを、デジタルテクノロジーをベースとした全く別のものに置き換えなければならないためです。

マイクロソフトは、こうした課題に直面する企業に対して、最新テクノロジーやグローバルなノウハウを組み合わせて、その取り組みを支援しています。マイクロソフトの企業ミッションは「地球上の全ての個人と全ての組織が、より多くのことを達成できるようにすること」。これは、マイクロソフトのテクノロジーを活用することによって、顧客企業が成功を収めることを意味しており、 デジタル トランスフォーメーションの推進に貢献することも、マイクロソフトの使命の 1 つです。

具体的には、「知 (インテリジェンス」」のシステム化を支援していきます。すなわち顧客や市場における変化をデジタル データとしていち早く入手し、その分析から洞察を得て、製品やサービスに反映する仕組みを構築することです。

これまでは、企業が製品・サービスを設計・開発・生産・出荷し、顧客がそれを購入することでビジネスのサイクルが完結していました。しかし今では、製品に組み込まれたセンサーが発信する情報やアフター サービスの保守や修理の情報など、これまでにはない多様なチャネルからのあらゆるフィードバックをすべてデジタル データとして入手できます。つまり、アナログ プロセスを介さないため、多様なフィードバックを継続的に製品・サービスに反映するという「デジタル フィードバック ループ」をいわば自動的・自律的な形で構築できるわけです。マイクロソフトは、これまでに蓄積した知見やノウハウを活用し、こうしたデジタル フィードバック ループの構築を支援します。

4 つの側面で変革を起こしていくことが重要

それでは「知」のシステムから新たな洞察を導き出すことによって、どんなことが可能になるのでしょうか。マイクロソフトでは、「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」という 4 つの側面で変革を起こしていくことが可能だと考えています。

●お客様とつながる――デジタル データを通して、顧客との新たな関係を構築する

「お客様とつながる」ためには、まず顧客の状況が見えるようになることが重要です。顧客が何を求めているかを把握するためには、顧客の行動を 360度で捉える情報が必要になります。しかし、これまでは多くの企業において、コールセンターと Web サイトしか顧客の行動を捉える手段がなく、断片的な情報しか入手できませんでした。

しかし、今では POS や会員カードを利用したリアルな店舗での行動データ、ソーシャル メディアの投稿、製品に埋め込められたセンサーが発信する情報など、多様なチャネルから顧客の行動を示すデータを、ほとんどリアルタイムに収集・分析できるようになりました。こうした仕組みが実現できれば、顧客一人ひとりの行動に基づいて、パーソナライズされた体験を提供することが可能です。

●社員にパワーを――社員同士の有機的なコラボレーションでアイデアをすぐに形に変える

組織全体のパフォーマンスは、それを構成する社員の能力によって決まります。つまり、「社員にパワーを」与えることが組織全体の競争力につながるのです。そして、社員がその力を最大限に発揮するためには、時間や空間の壁を越え、自在に働ける環境が必要となります。実際、多くのデジタル カンパニーは、社員の生産性とコラボレーションをサポートするために、モバイル ワーク、サテライト オフィス、ワーク シェアリングなどいつでもどこでも、そして誰とでも仕事ができるようなワークスタイルを確立しています。

ほかにも社員にパワーを与えるテクノロジーがあります。それは、ワークスタイルを分析・可視化するツールです。これを活用すれば、社員がどんなドキュメントを閲覧・編集したのか、誰とコミュニケーションしたのか、一日に何通メールを処理したのか、会議に何時間費やしたのかなどを客観的に分析した上で、働き方を見直すことが可能になります。

●業務を最適化――オペレーティング モデルや現場業務の効率化によって業務プロセスを最適化する

「業務を最適化」もデジタル トランスフォーメーションの領域の 1 つです。IoT (Internet of Things) やクラウドなどの最新テクノロジーを活用することで、これまでよりも業務の効率を飛躍的に向上することができるからです。

例えば、工場の品質検査もその 1 つです。これまでは開発や生産のさまざまな工程でラインを止めて検査を行ってきました。それを IoT によるデータ収集・分析を通して集約するようにすれば、検査に要する時間を飛躍的に短縮することも可能です。生産のリードタイムが短縮されれば、一人ひとりの顧客に合わせた究極的な多品種少量生産を行うことも可能になるでしょう。

また、かつてはネットワークから分断されていた現場の機器が常時接続されることによって、何らかの障害が発生した際にリアルタイムで対応できるようになります。機器から収集したデータを分析することによって、予防的に保守を行うことも可能です。

●製品を変革――情報を収集・分析し、その結果を製品の開発に生かす

デジタルテクノロジーの活用による、自社の製品やサービス、あるいはビジネス モデルの変革は、デジタル トランスフォーメーションの最も重要な領域であり、究極の目標です。先進企業の中には、製品を生産して販売するというビジネス モデルから、製品を活用したサービスへと収益の柱をシフトしている企業も少なくありません。あるいは確立したビジネス モデルをプラットフォーム化して、他社に広く提供する企業もあります。さらに変革を進め、既存の流通チャネルを全廃。オンラインに一本化する企業も出てきています。

市場調査会社の米ガートナーは、2016 年末までに、企業の 30% が自社の情報資産をマネタイズするようになり、1560 億ドル規模の市場が生み出されると予測しています。このような変革が、グローバル レベルであらゆる業種と市場分野で見られるようになってきています。

既にグローバルでさまざまな企業が、マイクロソフトのソリューションやノウハウを活用してデジタル カンパニーへと変貌しています。次回以降、この 4 つの領域における変革の詳細について企業事例を交えて解説していきます。

お客様とつながる - Engage your customers、社員にパワーを - Empower your emplyees、業務を最適化 - Optimize your operations、製品を変革 - Transform your produtcs
マイクロソフトでは、デジタル トランスフォーメーションに取り組む企業を「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」という 4 つの領域で強力に支援しています。

デジタル フィードバック ループで「お客様とつながる」

デジタル テクノロジーの進化は顧客と企業の関係性を大きく変えました。スマートフォンを使えば、いつでも、どこでも知りたい情報が入手でき、ソーシャル メディアは、個人の発信する情報を瞬く間に伝播します。すでに顧客は企業からの情報を受け取るだけの受け身的な存在ではなく、欲しい情報だけを選別し、自ら情報を発信する存在になりました。こうした “賢い顧客” の期待に応えられない企業は、市場から消えゆく運命にあります。デジタル テクノロジーが生み出した賢い顧客に対応するためには、今後どのような戦略が必要なのか、事例を交えて解説していきます。


「社員にパワー」を与えればビジネスの俊敏性が加速する

熾烈な競争を勝ち抜き、いかに成長を続けていくか。それに欠かせないのが働き方の根本的な見直しです。社員の働き方を変えることこそがイノベーションの源泉であり、競争優位の切り札となります。先進的な事例とともにワークスタイルの変革、働き方の改革についてご紹介します。


インテリジェントプロセスで「業務を効率化」

IoT によって、さまざまなモノがインターネットにつながるようになりました。センサーなどから得られるこれらの大量の情報をクラウド上に集約すれば、革新的な知見の獲得が可能になり、従来の業務プロセスを根本的に変革したり、未来を予測して対応したりすることが可能になります。


デジタルテクノロジーを活用して「製品を変革」

急激に変化する市場で生き残り、成長を続けるためにはデジタルテクノロジーを活用して製品やサービスを変革し、新たな収益機会を創出することが必要です。製品の変革に成功している企業の事例と、最新技術をご紹介します。


デジタル化が進む中で求められるセキュリティ対策は?

企業がデジタル トランスフォーメーションを推進する上で、前提となるのがセキュリティ対策です。デジタル化が進む中で求められるセキュリティ対策とは何でしょうか? 今回は、セキュリティに対するマイクロソフトの考え方や、サイバー攻撃の現状と防御方法などを説明します。


サイバー攻撃対策は「正しく怖がる」ことが第一歩

前回に引き続いて、デジタルトランスフォーメーションを推進する上で重要な課題であるセキュリティ対策を取り上げます。今回は、マイクロソフトでセキュリティアーキテクトとして従事し、公認情報セキュリティ監査人や Certified Information Systems Security Professional (CISSP) などの資格を持つとともに日本 CISO 協会の主任研究員を務めている蔵本雄一が、サイバー攻撃の現状や対策を解説します。


地球上のすべての人と組織のために最新技術のメリットを届け続けたい

マイクロソフトでは、お客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するために、さまざまな最新テクノロジーの研究開発を継続的に実施しています。今回はマイクロソフトが現在最も注力している「AI (人工知能)」「IoT (モノのインターネット)」「MR (複合現実)」の 3 つの領域における取り組みを解説します。


デジタル変革に後れをとる日本企業に求められることとは?

デジタル変革に後れをとる日本企業に求められることとは? マイクロソフトはアジアの 13 の国・地域のビジネスリーダーを対象に、最新テクノロジの活用とビジネス変革の現状を調査しました。今回は、この調査結果を交えて、デジタル トランスフォーメーションに対する日本企業の取り組み状況を分析していきます。


デジタル トランスフォーメーションは、企業規模や業態を越えた大きな潮流へ

革新的なアイデアを創出し、短期間で事業モデル化、先行者利益を得る――。これを体現するような事例が、すでに企業規模や業種・業態を飛び越えて、各国で生まれつつあります。今回は一見するとデジタル化が難しい領域において変革に挑む組織の事例を 2 つ取り上げつつ、今後日本企業や組織が目指すべき方向性について、総括します。


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