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これは未来の話ではありません〜ものづくり現場の DX を深化する Mixed Reality の世界

HoloLens 2 で拡張現実を用いてアセット チェックをする男性

新型コロナウイルスの流行によってヒト、モノの物理的な移動が困難になり、製造業におけるサプライチェーンの不確実性は大きく高まっています。一方で、この状況は近年世界中で叫ばれているカーボンニュートラルへの潮流を加速し、デジタル トランスフォーメーション (DX) を推進するひとつのきっかけになっていることもまた事実です。本稿では、「2021年版ものづくり白書」で述べられた「製造業のニューノーマル」について解説するとともに、製造業界の DX を推進するソリューションのひとつである Mixed Reality の現状を、HoloLens 2 を活用した事例とともにご紹介します。

「2021年版ものづくり白書」が求めるニューノーマル時代への対応

コロナ禍において、私たちの生活や仕事の環境は大きく変化しました。「2021年版ものづくり白書」では、不確実性が増す「ニューノーマルの時代」に向けて製造業が課題とすべきキーワードとして、「レジリエンス」「グリーン」そして「デジタル」が挙げられています。

ニューノーマルでの生き残りに向けて

「レジリエンス」については、パンデミックによる世界的な被害を鑑み、これまでのような自然災害を想定した自社の BCP 対策だけでなく、サプライチェーンを俯瞰した多面的なリスク対応と、危機の内容にかかわらず事業の継続を目的としたオールハザード型の BCP 対策の必要性が指摘されています。また、「グリーン」に関しては、脱炭素社会の実現に向けた世界的な意識の高まりを背景に、製造業においてもサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けた取り組みが求められています。

そして「デジタル」の分野においては、DX を推進・深化して、不確実性に対応できる能力 (ダイナミック・ケイパビリティ) を高めることが肝要であり、人材育成や現場の作業支援などへのデジタル技術の活用により、現場の優れた技術の有効活用や次世代への承継が活性化することを期待されています。

レジリエンスの今後の課題

グリーンの今後の課題

デジタルの今後の課題

出典: 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2021年版ものづくり白書」

製造現場の DX 推進に期待されていること

「2021年版ものづくり白書」によると、ここ数年、製造業において積極的にデジタル技術を活用する企業が増えており、多くの企業が従業員に対して、将来的にデジタル技術を活かせる技術を身につけることを求めています。また、デジタル技術を活用している企業のほうが労働生産性が向上し、業務効率化を実現していると回答した割合が高く、人材育成や能力開発の取り組みにも積極的なことがわかっています。

労働生産性の変化およびものづくり人材育成の変化

ものづくりのデジタル技術活用状況

出典: 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2021年版ものづくり白書」

これらの傾向に加えてパンデミックへの対応が必要となった今、「2021年版ものづくり白書」では、「個々人が積極的に学べる教育環境を作る」「リモート化によってレジリエンスの強化をはかる」「ノウハウのデジタル化やリモートからのトレーニングで現場の優れた技術を未来へ承継する」こと、すなわち DX の取り組みを深化させることが求められているとし、デジタル技術を活用した「教育」と「リモート化」の推進が推奨されています。

デジタルーDX の取組深化ー

今すぐ手に入る Mixed Reality の世界

デジタル技術を活用した「教育」と「リモート化」推進の具体的かつ実践的なソリューションのひとつとして挙げられるのが、Microsoft HoloLens 2 による Mixed Reality の活用です。

Mixed Reality は、現実の物理世界とデジタルの世界を融合した「複合現実」を実現するためのテクノロジです。物理世界の空間やそこにいる人の手の動きや目線、話している言葉などをデータ化し、物理世界に重ねて表示することで、あたかもそこに存在するかのように情報を表示したり、操作したり、離れた場所にいる人に共有したりすることができます。

まるで SF の世界の話のように感じる方もいるかもしれませんが、これは未来の話ではありません。今すぐに手に入れられる技術です。

HoloLens 2 を用いた医療現場イメージ

HoloLens 2 を用いた作業指示イメージ

Mixed Reality の世界を操るためのデバイスとして開発されたのが、HoloLens 2 です。HoloLens 2 は Windows 10 を搭載したゴーグル型デバイスで、各種アプリケーションと連携させることで、Mixed Reality をさまざまな用途に活用できます。

HoloLens 2 は旧モデルの HoloLens と比べて軽く、重心が前にかかってずり落ちたり支点に荷重がかかりすぎたりせずに装着できるので、長時間利用しても疲れを感じにくく、フロントのバイザー部分をフリップアップできる構造になっているので、Mixed Reality と物理世界の切り替えも簡単です。

HoloLens 2

操作性も高く、コードレスで動作するので、装着したまま自由に移動でき、手指だけでなく目線や音声でも操作可能なので、両手をつかって作業しながら画面越しに会話したり、指示画面を遷移させたりといった操作が可能です。さらに、AI を組み合わせれば、集めたデータを分析して作業ミスの検出を支援するといった、作業精度の向上に役立てることもできます。

HoloLens 2 は身体への負荷が少なく、難しい操作を覚える必要もありません。HoloLens 2 を使えば、誰もが簡単にMixed Realityの世界を自分のものにできるのです。日本マイクロソフトの公式YouTubeチャンネルには、HoloLens 2 の使い方をわかりやすく解説する動画が用意されているので、導入を検討する際に視聴してみることをお勧めします。

日本マイクロソフト株式会社 公式チャンネル

【ほぼ 10 分でサクッとわかる HoloLens 2!】

HoloLens 2 キホンのキ!【ほぼ 10 分でサクッとわかる HoloLens 2!】

ニューノーマル時代の DX を牽引する HoloLens 2

HoloLens 2 は、「2021年版ものづくり白書」で DX の取り組みの深化に必要な要素として挙げられた、「教育」と「リモート化」の課題を解決するための、極めて有用なツールです。特定の用途に特化しているわけではないので、ニーズに合わせてさまざまな業務での活用が考えられますが、ものづくりの現場において特に期待されているのが、リモートからの作業支援や、セルフラーニングも含めた現場の技術向上といった分野です。

例えば、Microsoft Dynamics 365 Guides というアプリケーションを使えば、HoloLens 2 の視界のなかに作業内容の指示書きや説明用の画像、動画などを表示できます。今までは重いマニュアル資料を読んだり直接先輩技術者からのレクチャーを受けたりしながら実施する必要があった、トレーニングや技術承継に役立てることができるのです。

作業内容の説明画像投映イメージ

作業箇所の具体的指示の投映

また、作業指示の表示だけではなく、操作している機器の IoT データを取得できていれば、Power BI を使ってデータを処理し、可視化したものを HoloLens 2 に反映して、機器の稼働状態を視認しながら作業することもできます。

操作している機器の IoT データの投映

そして Microsoft Dynamics 365 Remote Assist は HoloLens 2 の視界のなかで Microsoft Teams を活用した Web 会議が行えるアプリケーションです。Teams で通話している相手にも HoloLens 2 の視界が共有されるため、その場にいて同じものを見ている感覚で会話できます。監査や視察、作業の見守りといった用途が想定される、まさに移動を制限されたパンデミック下の状況を打破できるツールと言えます。

HoloLens 2 で視界を共有しながら機器の動作確認を行う女性

Mixed Reality を活用した DX 事例

トヨタ自動車株式会社では、2020 年 10 月から全国のチューニングショップ「GR Garage」 に HoloLens 2 を導入し、自動車の整備作業の効率化やトレーニングに活用しています。

トヨタ自動車が全国の GR Garage に HoloLens 2 を導入開始。自動車整備の働き方改革に Mixed Reality テクノロジを活用

HoloLens 2 で車両を整備する整備士

世界中に拠点を有する自動車部品メーカーである武蔵精密工業株式会社では、コロナ禍の 2020 年に、現地エンジニアへの指導や機器の調整をリモートで実施するために、HoloLens 2 を導入。検討し始めてからわずか 2 か月で導入を完了するという驚異的なスピード感で業務の再構築に成功しました。

新型コロナによる渡航制限の中、HoloLens 2 と Dynamics 365 Remote Assist を活用して海外拠点の生産ライン立ち上げを円滑にサポート

海外拠点とのミーティング風景

また、マイクロソフト自体も、各地のデータセンターにおけるコンプライアンス監査支援をリモートで実施するために HoloLens 2 を活用し、現場に監査員を派遣する必要のない「リモート監査」を実現。新型コロナウイルス対策と同時にコスト削減、業務効率の向上、そして従業員のワークライフバランスの充実にもつながり、移動に伴って発生する CO2 の削減効果も得ることができました。

HoloLens 2 と Dynamics 365 Remote Assist を活用した Mixed Reality により、データセンターの監査と運用を効率化したマイクロソフト

映画の世界が現実に。Mixed Reality の未来絵図

現在、Mixed Reality は製造現場での業務利用が大半を占めていますが、今後は現場だけではなく、設計や開発、企画営業部門といった非製造部門での活用も増えていくことが予想されています。

それに伴って、HoloLens 2 のような専用デバイスだけでなく、AR (Augmented Reality /拡張現実) や VR (Virtual Reality /仮想現実) といった空間情報を扱うデバイスや、パソコン、モバイル端末といったあらゆるデバイスとのシームレスな連携も視野に入れながら、開発が続けられています。

マイクロソフトは、2021 年 2 月に Microsoft Mesh という新しいコンピューティング プラットフォームを発表しました。Microsoft Mesh は、Microsoft Azure 上に構築される新たなコミュニケーション プラットフォームで、離れた場所にいる人たちが、使用しているデバイスを問わずに、アバターやホロポーテーションを利用したコミュニケーションができるようになります。まるで映画「スターウォーズ」のジェダイ評議会のようなシーンが、現実のものとなりつつあるのです。

アバターを利用した会議風景

ホログラム投映の地球儀で議論する女性

Microsoft Mesh で Mixed Reality (複合現実) における共有体験を提供: 同じ場所にいるような感覚を実現

HoloLens 2 や Dynamics 365 Remote Assist のインターフェイスは多言語に対応しています。世界のどこにいても、どんな相手とでも、同じ景色を見て、通じ合うことができる。そんな素晴らしい世界がすぐそこまでやってきているのです。

【Microsoft Meshについて詳しく知りたい方はこちら】

Microsoft Japan Digital Days (2021 年 10 月 12 日 (火) ~ 14 日 (木) 開催)

Day1: Break out Session ① Mixed Reality トラック

「空間を超えた一体感でビジネスシーンの人と人とのつながりを強化! 次世代のコラボレーション プラットフォーム Microsoft Mesh」(R01)

【本記事の内容をもっと詳しく知りたい方はこちら】

オンデマンドセミナー:HoloLens 2 で実現するモノづくりの現場の DX

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