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IoT で変えるものづくり (パート 1): パイロット プログラムの殻を破る

Worker in factory reviewing plans

※本ブログは、米国時間 4/15 に公開された ”Transform manufacturing with IoT part 1: how to move beyond pilot programs” の抄訳 (しょうやく) です。

皆さんはメーカーとして、グローバルな競争の激化や、設計および市場投入サイクルの加速といった状況に直面し、総合設備効率 (OEE) や運用効率を向上させなければならないというプレッシャーを常に感じていることでしょう。大半の組織はこれまで、既存の設備から最大限の利益を絞り出そうと懸命に取り組んでいます。第 4 次産業革命 (しばしば Industry 4.0 とも呼ばれます) に期待が寄せられているのはそのためです。

このブログ シリーズでは、ディスクリート型製造業のメーカーやプロセス型製造業のメーカーがどのようにして人、プロセス、およびテクノロジに関するさまざまな課題に対処し、Industry 4.0 を実現しているかについて掘り下げます。1 回目となる今回の投稿では、皆さんが幸先のいいスタートを切り、パイロット事業を実稼働へとスムーズに移行させるうえで役立つベスト プラクティスをいくつかご紹介します。

殻を破れないパイロット事業の罠

Industry 4.0 は、デジタル テクノロジと物理的なテクノロジを結合させることでデータを活用し、より優れた意思決定を行い、顧客満足度を向上させ、メンテナンスの必要性を予測し、新たな収益機会を生み出し、そしてこれまでにないレベルに設備の効率性と制御性を引き上げるものです。Industry 4.0 の核となるのがモノのインターネット (IoT) です。IoT は、物理的なモノの世界と制限なく広がるデータの世界を結合して、クラウドで高度な分析を行えるようにする仕組みであり、変革の基盤となるものです。

Industry 4.0 のコードを読み解くことで、大きなビジネス価値につなげることができます。産業機器に大きく依存するメーカーは、IoT に秘められた可能性にいち早く気付きました。おそらく皆さんの組織では、さまざまな開発段階で IoT プロジェクトが存在しているはずです。しかし、皆さんの組織がほかの大半の組織と同じであるならば、これらのプロジェクトは “さなぎ状態” から抜け出せない状態に陥っていることでしょう。膨大な時間と人材を投資しているにもかかわらず、これらの IoT プロジェクトはまだ自身の殻を破れず、高い効率性や ROI を実現できないままです。

結果を出すためには、計測可能なビジネス価値という強力なビジョンと、エッジからクラウドにデータを接続する適切なテクノロジのアプローチが必要になります。IDC によると 2021 年までに、世界の 7 割以上のメーカーが、自動化とオペレーションを強化し競争優位性を獲得することを目的に、IoT データを活用するようになる見込みです。[1] パイロットを軌道に乗せ、シームレスに素早く実稼働に移行できるようにするための 5 つのベスト プラクティスについて見ていきましょう。

1. すでにある設備を生かす

製造業は大規模な設備投資が必要となる機器集約型のビジネスです。機器の接続を可能にするためだけにその撤去や交換を行うことはまれです。皆さんが採用できるオプションとしては、機器の買い換えサイクルを待つ (数年、数十年かかることもあります) か、既存の工場で機能するテクノロジを効果的に生かし、現在使っている機器の持つ相互運用性をフルな状況に高めるかのどちらかです。相互運用性に関するオープンな産業標準 (OPC UA など) と連携するように構築されたソリューションを活用することで、自社開発システムに関するさまざまな障害を回避できます。ベンダー ロックインが起こらないというメリットもあります。システムから標準規格を切り離すことで、コスト効果が高く、運用ニーズに最適なオプションを常に選択できるようになります。

2. 拡張は全速力で

多くのパイロットは試験的な規模ではうまく機能しますが、実稼働に対応するには大幅な変更が必要になります。これに対処する方法の 1 つは、小さい規模からスタートし、全速力で拡張していくという方法です。概念実証から開始し、学んだことを原動力にしてソリューションの反復と拡張を行います。初めから拡張可能なインフラストラクチャを念頭に置いて、実稼働後にプラットフォームをどのように運用するかのビジョンを持ちます。同じプラットフォームを利用して、フルスケールのソリューションをサポートするパイロットを構築するには、事前にしっかりと計画することが必要になりますので、これを見落とさないようにしてください。

3. データの調和

製造ラインの生データを取り込むのは容易ではありません。生データを標準化、強化、そして分析することで初めて、その価値が出てきます。さらに ERP からビジネス インテリジェンスに至るまで、さまざまな種類のシステムで生データを利用できるようにする必要があります。生データは常に保護された状態である必要もあります。前述の相互運用性に関する点と同様に、データの標準化と互換性も極めて重要になります。その出発点となるのがマイクロソフト、Adobe、および SAP の共同プロジェクトである Open Data Initiative です。これは、システム間のデータの移行をシームレスに行えるようにすることで、データをインテリジェント アプリケーションに取り込まれる再生可能なリソースに変えるプロジェクトです。

さまざまな種類のデータを取り込むことで、Sandvik Coromant は未来の工場を構築することができました。同社は、幅広い機器ツールにインテリジェンスを追加で組み込むことで、機器を自動的に調整し、メンテナンスが必要な時期を技術担当者に通知し、潜在的な障害を工場管理者に警告するためにより多くの運用データを収集・利用できるようにしました。

4. ぴったりのパートナーを見つける

IoT や Industry 4.0 で成功を収めている企業は、自分の力だけで成功を収めているわけではありません。これらの企業は、重大な変革を推進するための規模、ビジョン、および領域の専門知識を兼ね備えた戦略的なパートナーを選定しています。包括的なオファリングを持つベンダーを選定することで、1 つの画面で IoT エコシステムの大半を管理できるようになり、それによってテクノロジの管理を簡素化できます。同時に、イノベーションの確かな実績について確認し、パートナーが長期間にわたって市場でプレゼンスを発揮し続けるという確信を持ち続けることも必要になります。

水、衛生、エネルギー テクノロジのプロバイダー大手 Ecolab は、36,000 以上の顧客の水道システムから情報を収集するより効果的な手段を模索していましたが、このアプローチを採用したことが成功につながりました。同社は、マイクロソフト テクノロジのプラットフォームを土台とし、オンプレミス機器と統合する新しい水道監視テクノロジを開発しました。同社は水の利用を最適化することによって、顧客に 100% の ROI を提供できるようになりました。

5. 従業員への支援

インテリジェント機器についてこれまで話してきた内容とともに、真のインテリジェンスは人、従業員の中に存在するということを覚えておくのは極めて重要です。IoT やIndustry 4.0 によって業務内容がどのように変わるのかを理解し対処することは、皆さんがどのようなテクノロジを選ぶのかと同じくらい重要です。工場の現場などで、業務にシームレスに適合するソリューションを採用することで中断を最小限に抑えることができますが、従業員が新しい業務方法に移行できるよう積極的に支援することも重要です。

これについては、このデジタル製造シリーズの次回の投稿で取り上げます。次回は、IoT 対応の組立ラインの管理者や従業員の視点、IoT によって管理者や従業員の業務がどのように改善されるのかについても触れます。

IoT を活用してビジネスの課題を解決するうえで参考になる実例

[1] 出典: IDC FutureScape: Worldwide Manufacturing Business Ecosystems 2019 Predictions、EMEA44378918、2018 年 10 月

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