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FIN/SUM 2026 マイクロソフト セッションレポート [保険業界] 

保険会社における AI 活用最前線:第一ライフグループ×マイクロソフト

2026 年 3 月 の「FIN/SUM 2026 AI ×ブロックチェーンが創る新金融エコシステム」(主催:日本経済新聞社、金融庁)において、日本マイクロソフトのセミナー「保険会社における AI 活用最前線:第一ライフグループ×マイクロソフト」を開催。
日本マイクロソフト グローバル保険・地域金融統括本部長 長町浩史氏が、 AI エージェントの活用の現状について紹介。後半では第一ライフグループ Group Chief Data & AI Officerのフィゲン・ウルゲン氏と、日本マイクロソフト 執行役員常務 金融サービス事業本部長 荒濤大介氏が登壇し、社内での AI エージェント導入から活用までの実例を紹介した。


AI エージェント導入における課題を、マイクロソフトはプラットフォームとして解決

はじめに、長町氏は保険会社における AI 活用、エージェント導入が本格化してきていることを解説。導入時には、大きく 3 つの点が課題になると説明した。

日本マイクロソフト株式会社 長町氏

「まずは、ユーザーが使いやすい AI エージェントのインターフェースになっているかという点です。日々の業務の動線の中にエージェントが自然に融合されていないと、利便性・使い勝手の観点から利用が進まないと考えています。2 つ目は、エージェントが複数の業務システムと連携できておらず、個々の業務が孤立して動いている状況になっていないか。そして一番重要なのが 3 点目の、データが有効活用できていないことです。データが企業内、またグループ会社間で散財している、さらにそのデータが AI-Ready の状態になってないと上手く活用ができません」(長町氏)。

それらの課題に対し、マイクロソフトでは「エージェント全体のプラットフォームとして解決できるのではないか」と強調した。

「Excel、Word、PowerPoint を触りながら、そのまま自然に AI エージェントに繋がるような融合が可能です。 Microsoft Copilot、Microsoft Foundry、Microsoft Copilot Studio といった統合的なプラットフォームも提供させていただいています。データ領域については、散在しているデータを集約し、AI-Readyなデータとして活用できる、意味を持ったコンテキストなデータに変える。そういった仕組みを Fabric といったサービスを中心にご提供させていただいております」(長町氏)。


連邦型データ基盤と人材育成で、グループ全体の AI 活用を加速

ここからは、日本マイクロソフト 執行役員常務 金融サービス事業本部長 荒濤大介氏が進行役を務め、日本マイクロソフトと戦略的パートナーシップを締結している第一ライフグループGroup Chief Data & AI Officerのフィゲン・ウルゲン氏に、同社における AI 活用の実情について話を聞いた。

日本マイクロソフト株式会社 執行役員常務 金融サービス事業本部長 荒濤大介、第一生命グループ Group Chief Data & AI Officer フィゲン・ウルゲン氏

フィゲン氏は、グローバルな組織である第一ライフグループは、さまざまなクラウド・ IT 環境を持っており、イノベーションを妨げないよう中央集権型ではなく連邦型を採用していること、Microsoft Azure 上で Microsoft Fabric を利用して AI の基盤を作ってきたことを説明。従業員の利用率を高めるために工夫した点について、次のように話す。

「ただ環境を作っただけでは、AI の導入は進みません。トレーニングもとても重要でした。我々は『コンテキスト組み込み型』というやり方を使い、従業員の皆さんにただの AI ツールを教えるのではなくて、業務に合わせた使い方を教えています。そうすると、もっと継続性・連続性のある使い方になっていきます。この 1 年の中で、コストを回収できるラインの約 3 倍、従業員一人当たり月平均 140 回以上使っていることがわかりました。例えば会議の要約のような簡単な使い方から、業務の一部を完全にAIに任せるというところまで、皆さん様々な使い方をしています」(フィゲン氏)。

フィゲン氏は、AI エージェントを活用する上での課題、そしてそれをどのように乗り越えようとしているかについて、AI-Ready なデータを整えることが重要だと強調した。

第一生命グループ Group Chief Data & AI Officer フィゲン・ウルゲン氏
第一ライフグループ Group Chief Data & AI Officer フィゲン・ウルゲン氏

「最初に乗り越えるべき壁は、AI がアクセスできる場所に、AI が利用できる形式でデータをもたらすことです。我々のように長い歴史のある会社では、データは紙のファイル、特別なシステムに特化した形式など、さまざまな形で散らばっています。我々が Azure 上に作った連邦型のプラットフォームでは、データのガバナンスを効かせながら、皆さんに安全にデータと AI を作って使ってもらえるようにしています」(フィゲン氏)。

エージェントを活用した変革では、会社に長年務めてきた社員の知識の活用にも期待を寄せているという。

「生成 AI での業務の効率化、生産性を上げるといったプロジェクトはいろいろとあると思いますが、私が重要だと思っているのは『人間はどうなるか』という点です。退職を迎えるベテランの社員は貴重な知識、知恵を持っていて、実は AI を使ってそのような知識も確保できると思っています。業務の効率化と同時に、長年貢献してきたベテランの社員にも敬意を示せるようになるのではないかと思います」(フィゲン氏)。

最後にフィゲン氏は、今後の展望について「Microsoft Fabric は、Microsoft Foundry の中であまりデータを動かさずに、仮想でデータをアクセスして分析できる環境を作れる点が革新的だと思っています。私達の今後のビジョンは、Microsoft Foundry を使ってイノベーションを起こすことです。最終的には、我々のグループ会社はどの会社でも使えるような仕組みを作りたいと思います」と話した。

セッションの最後に荒濤氏は「ありがとうございます。我々の持っている製品やケイパビリティを上手く活用されて、エージェントで大規模な変革をこれから進めていかれようとしていることがよくわかりました。AI の部分だけでなく、インプットとなるデータ、それからアウトプットを活用する人材育成まで、我々のようなテクノロジーパートナーをご活用いただいて、エージェントを活用した変革を進めていただきたいと思っています」とセッションを締め括った。

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