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病院におけるAI活用の方向性 

Azure OpenAI Serviceとは、MicrosoftとOpenAI社が共同で開発した、大規模言語モデル(LLM)をAPIを通じて利用できるサービスです。このサービスを使う事でテキストの生成、言語の翻訳、コードの作成、質問への回答などに利用ができ、開発者や研究者が簡単にAIアプリケーションを作成できるようになっています。また、クラウド上の大規模な計算リソースを活用して、最先端のAI技術が継続的に進化し続けています。 

Azure OpenAI Serviceは2023年1月に一般公開されました。そして7月には日本国内のデータセンターでのサービス提供開始をきっかけに多くの医療機関で生成系AIの活用についての検討が加速しております。働き方改革、DX推進に大きな期待が寄せられてはいるものの医療系データを活用したシナリオは医療データ自体が閉域網にある、カルテベンダーとの連携が必要になるなどそう簡単な話ではないというのが現状です。ですが、外的要因の解決を待つのではなく、まず出来るところからAIを業務に活用して行こうと積極的に取り組みを始めている社会医療法人石川記念会 HITO病院様の取り組みについて、ご紹介させていただきます

以下、社会医療法人石川記念会 HITO病院 村山様からのコメント

HITO病院事例紹介 (Azure AI service): 

HITO病院では全スタッフがiPhoneを活用し、連携の強化と自律性の向上を目指しています。これまで少子高齢化に対応できる働きやすい環境の実現に、モバイル端末でのカルテ閲覧やチームチャットの活用を行ってきました。そして2024年の転換点を見据えた取組も始めています。その一つにAzure OpenAI serviceの導入があります。スタッフひとり1人が主体性をもって、その人にしかできないサービスに集中し、最大限に充実した時間を過ごせる環境の構築を目的としています。デジタル化が進む未来には、「人にしかできないこと」がこれまでにも増して価値をもつ。その時、誰からも選ばれる病院となるためには信頼されるスタッフの育成が重要であると考えます。AI活用や他者から学び易い環境の構築により、学習を促進する『学習する病院』に変わることに挑戦します。 

「HITOを中心に考え、社会に貢献する」ことが当院の経営理念です。 

iPhoneでMicrosoft Teams & Microsoft Intune + Azure OpenAI Serviceの活用を開始: 

  • 端末管理にMicrosoft Intuneを活用し、業務効率化を実現しました。 
  • Microsoft teamsによる連携の強化:自動翻訳チャットの活用で海外人材を含めた多職種連携が強化されました。 
  • Azure OpenAI service:AIと連携し、学ぶことで、全スタッフの能力がさらに活かされ、より能動的に対応できる病院となります。 

全スタッフがモバイル端末で生成AIを活用できる環境の構築:  

  • HITO病院では全スタッフがiPhoneを利用しており、その端末管理(MDM)をMicrosoft Intuneで行っています。ユーザー管理はMS365であるため、端末とユーザー管理を一気通貫に実施できるため管理業務の効率化だけではなく、生成AIを始めとした各種業務効率化アプリの管理・提供をタイムリーに行うことが出来ます。 
  • Azure App Serviceで構築した生成AIアプリをMicrosoft Intuneで配信し、職員が利用しており、管理・活用のプラットフォームとして大きな役割を果たしています。  

言葉の壁も崩す自動翻訳チャットがダイバーシティを推進: 

  • 当院の地域包括ケア病棟では13名の介護士が働いており、そのうち10名がベトナム・ミャンマー・フィリピンなどからのスタッフであり、ダイバーシティの対応は人材確保にも重要である。 
  • 今回、言語の壁による業務上の課題を解決するために生成AIを利用した自動翻訳チャット導入に至りました。 言葉の壁を崩すリアルタイム自動翻訳機能が、これまでの対面で伝えるための移動や探す時間のコストを削減し、即座に母国語で業務の依頼や報告を理解できるようになりました。 
  • 相互理解が深まることで、協働がさらに進み、イノベーションが起こることが理想的です。  

Azure OpenAI service(AOAI)導入における2つの課題解決: 

院内活用を始めるにあたり、Azure上でのAI設定やスキルセットの構築が必要でした。先行事例がなく、アプリ開発でのコードなど試行錯誤もありましたが、Microsoftから公式に発信されるドキュメントやナレッジ、コードサンプルのおかげで、実装における技術的な課題がクリアできました。  

また、病院が導入時に検討するべき課題に正確性と説明責任の問題があり、出力結果の根拠を示すことが求められます。現在、院内マニュアルをAzure Cognitive Searchでインデックスし活用できるモードとBing Search APIによって最新の情報を取得し、活用できる2つのモードが生成AIアプリ上で提供可能となっています。AOAIは入力情報がAIのトレーニングに使用されないため、セキュリティが高く、機密性を確保できる点が病院での活用に有用で、AIモデル(GPT-4/text-embedding-ada-002など)を日本リージョン(Japan-East)で展開できること、サービス品質保証や使用量ベースの柔軟な価格設定など、生成AIを病院でも安心して安全に導入することができました。

院内マニュアルを対話型で参照/活用できるチャットボット

AIと連携した学習環境は検索エンジンから対話型学習環境へのシフトを促進し、能力を拡張する可能性があります。 

今後の展望について

HITO病院では2023年度中に全職員がAOAIを日常的に利用するように普及させていく予定です。まずは書類作成など間接業務の効率化をはかります。時間のかかることや職員の苦手な分野への活用です。例えば、音声入力でテキスト変換した文書を、さまざまな形式に生成し、電子カルテに入力することも可能となるでしょう。スタッフの主体性を育み、専門性を伸ばす環境づくりに挑戦します。   

<村山様のコメントはここまで> 

最後に 

HITO病院様のように医療機関自らAI環境を構築するというのは非常に珍しいケースかと思います。マイクロソフトでは多くのパートナー企業とも協業についての会話を行っており、いち早く医療機関の皆さまがAzure OpenAIが業務で利用できるよう様々な取り組みを始めており、来年から施行される働き方改革はもちろんですが、全ては患者様の為にという思いで今後も活動を行っていきます。 

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