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製造業 DX の先進事例も続々。デジタル形式の「ハノーバー メッセ」で披露

工場のラインで作業する男性

初めてのオンライン開催となったドイツの大型産業見本市「Hannover Messe」。2015 年から継続して出展し、製造業のデジタル革新に貢献する姿勢を示しているマイクロソフトは、新形式で開催された「Hannover Messe 2021 Digital Edition」で、新たな事業コンセプト「Microsoft Cloud for Manufacturing」を披露したうえで、例年と同様に先進事例を軸に最新の取り組みを披露しました。ここでは、そのハイライトをご紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020 年の Hannover Messe は、一旦延期のうえ、開催が取りやめになりました。2021 年は「Hannover Messe 2021 Digital Edition」と題してオンライン形式での開催となりました。主催者の発表では、約 1,800 の企業や団体、研究機関が出展。2021 年 4 月 12 日から 16 日までの 5 日間にわたって、バーチャルな展示ブース、ライブストリーミングなどの手段を使って、それぞれの技術、製品、サービスなどをアピールしました。

製造業におけるデジタル革新を重視するマイクロソフトは、2015 年から続けてこのイベントに出展しています。例年、ユーザー事例を前面に出した展示をしており、それをベースに、製造業にまつわる最新の取り組み、技術、サービスを紹介しています。これは Hannover Messe におけるマイクロソフトの展示の特徴として、リピーターの間では認知されています。このスタイルは、「Hannover Messe 2021 Digital Edition」でも踏襲しました。

DX 支援のコンセプトを発表

マイクロソフトは、デジタル版の Hannover Messe においてバーチャル展示ブースを設けるとともに、数件のビデオストリーミング・プログラムを提供しました。この中で、製造業に向けた新たな事業コンセプト、「Microsoft Cloud for Manufacturing」を発表しました。オープンスタンダードとエコシステムを提供し、デジタル変革に取り組む企業の活動を支援するというものです。このために、大きく 5 つの分野に継続的に投資する方針も名言しました。

具体的には、「働き方の変革 (Transform your workforce)」「新しいやり方でお客様とエンゲージする (Engage customers in new ways)」「もっと俊敏な工場を構築する (Built more agile factories)」「もっと強靭なサプライチェーンをつくる (Create more resilient supply chains)」「イノベーションを加速し、新しいサービスを提供する (Unlock innovation and deliver new services)」の 5 分野です。さらに、これらに加えて、革新を進めるための基盤技術として不可決かつ重要な「セキュリティの合理化・強化」にも継続的に投資することも明らかにしました。

マイクロソフトは、このコンセプトを実践し、製造業における DX を支援するために、「Microsoft Azure」「Microsoft Dynamics 365」「Microsoft 365」の 3 つのクラウドサービスとパートナーエコシステムをベースにしたプラットフォームを提供しており、その仕組みや機能を継続して進化させています。その取り組みの成果や、実際に導入した企業の事例を、今回の Hannover Messe 2021 Digital Edition で紹介しています。

製造業 DX を加速させるマイクロソフトのプラットフォーム

製造業 DX を加速させるマイクロソフトのプラットフォーム

「PoC 地獄」から抜け出せ

例えば、「俊敏な工場」の構築に向けて、IoT と OT デバイスにも継続的にセキュリティを提供する「Azure Defender for IoT」の強化です。また、Azure IoT Edge では、ANSI/ISA-95 規格のネットワーク分離用件に準拠したネスティング機能の一般提供を開始したことを発表しました。製造業の現場で DX を進めるうえでセキュリティの確保は重要な課題です。ここに不安があると、いわゆるエッジに当たる現場とクラウドを安心して接続することができません。現場では数多くの PoC (Point of Concept) が行われているものの、エッジ側での取り組みに終わってしまい、企業規模でスケールさせることができずに終わっています。今回の機能強化は、IIoT 本来のエッジとクラウドのハイブリッドによる迅速な企業展開役立つはずです。

「働き方の変革」については、先進的な事例を紹介しました。いずれもコラボレーションツール「Teams」を使った変革の事例です。コロナ禍が顕在化した 2020 年に、最も導入が進んだのが、コラボレーションツールだと言われています。Toyota Motor North America では、Teams をわずか 3 週間で 4 万人に展開。新型コロナウイルスの感染リスクを抑えるために多くの作業者が一斉に現場に足を運ぶのが難しくなっている状況下においても、「現地現物」の方針を実践できる環境を実現しました。現場の様子を動画に記録してTeamsを介して共有できる仕組みを利用したのです。

Teams を利用して会議を進行する様子

強靭なサプライチェーンとイノベーションの加速

いま業界の関心が高まっている「強靭なサプライチェーン」の構築に貢献する取り組みも紹介しました。2020 年 10 月からプレビューを開始している「Dynamics 365 Supply Chain Management」の新機能、「Cloud and Edge Scale Units」です。サプライチェーンを構成するプロセスに専用にリソースを割り当てることで、安定かつ信頼性の高いサプライチェーンの仕組みを実現します。安定性および信頼性を強化するために、このユニットを実際に作業が行わる場所の近くに設置できるようになっているも特長です。このほかサプライチェーンの強化に関連する取り組みとして、可視化ツールの大手ベンダーである PTC や BlueYonder との連携についても紹介しました。

「イノベーションの加速」に貢献する取り組みについては、クラウド HPC (high performance computing) の利点についてアピールしました。クラウドを利用して安価で高性能のコンピューティング環境が実現できると、製品開発にかかわる誰もが高度なシミュレーションやデジタルツインの仕組みを利用できるようになります。これによって、開発効率が上がれば、イノベーションが生まれる可能性がぐっと高まるでしょう。マイクロソフトでは、こうしたクラウド HPC を提供すると同時に、デジタルツインの導入を促進するためのビルディングブロック「Azure Digital Twins」を提供しています。異なるデバイスやビジネスシステムからのデータ統合や、デジタルモデルの作成を簡素化するビルディングブロックなどを揃えています。さらに、Bently、Ansys、PTC などのパートナ企業と連携して、効率的な研究開発環境を短期間で実現できる仕組みも整えました。

サプライチェーンのシミュレーション

顧客サポートのスキームが変わる

「お客様の新しいエンゲージ」についても、今回の Hannover Messe 2021 Digital Edition で画期的な事例を紹介することができました。大手半導体製造装置メーカーの ASML が導入した遠隔サポートの事例です。MR (Mixed Reality) ヘッドセット「HoloLens2」、「Dynamics 365 Remote Assist」「Teams」などを使って、コロナ禍の中で人が直接サポートすることが難しくなってもサポートを継続できる仕組みを実現しました。製造現場における意図しない装置の停止は企業に大きな損失を招きます。特に、1 回の工程で大量の製品を同時に製造する半導体メーカーの場合、その損失は莫大なものなります。途切れることがなくサポートを提供する仕組みはとても重要です。

ASML が導入した遠隔サポート事例

ただし、高度な技術を駆使する半導体の製造工程には、厳密に保護しなければならない情報が至るところにあります。これまでは、カメラなど情報を取得するデバイスを持ち込むことが不可能だと考えられていました。ところが、コロナ禍に直面したことをキッカケに、厳密な情報の保護と遠隔操作による迅速なサービスを両立する仕組みの実現に取り組み、実装までこぎつけることができました。

開催形式がオンラインへと変わった 2021 年の Hannover Messe でマイクロソフトは、新しいビジョンともに、製造業 DX に貢献する技術、製品、サービス、さらに先進的な事例を数多くご紹介しました。来年も、また新しいトピックを提供できると思います。ぜひ、期待していてください。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。

前編「製造業 DX 実現に向けた取り組みは一段と進化。「ハノーバー メッセ」で新たなコンセプトを披露

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