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研究開発の業務革新を支えるデジタル基盤、効率化や情報の利活用を支援

ディスプレイに向かって作業する男性

製造業における DX (デジタルトランスフォーメーション) の取り組みは研究開発の領域にも広がってきました。いま研究開発の現場では、新たな事業価値創出に向けて、革新的な成果を効率よく生み出し、素早くに新事業につなげる仕組みづくりが求められています。ここで必要とされているのが、研究開発だけでなく、生産、販売 (市場) まで「イノベーション・サイクル」にかかわる一連のプロセス全体を網羅し、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラです。このインフラを構築するためのソリューションをマイクロソフトは積極的に展開しています。

社会の変化とともに製造業を取り巻く環境の変化が加速しています。こうした状況を受けて企業の研究開発においては、DX を推進し「イノベーション・サイクルの高速化」することが求められています。つまり研究開発業務の効率化を図り、新たな事業価値創出につながる可能性がある革新的な技術を生み出す頻度を高めると同時に、事業化までに要するリードタイムを短縮することを迫られています。例えば、素材を扱う企業が多いプロセス系の業界では、「マテリアルズ・インフォマティクス」というキーワードがクローズアップされています。これは、最新の ICT (情報通信技術) を活用して、研究にまつわる作業の効率化を図ると共に、実験・検証の精度の向上を図ることで、イノベーションの頻度を高める取り組みを指す言葉です。つまり、マテリアルズ・インフォマティクスは、イノベーション・サイクルの高速化に向けた、DX のアプローチの 1 つと言えます。

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

イノベーション・サイクルの高速化を図り、革新的な技術を素早く新規事業につなげる仕組みを実現するために必要なのが、研究開発から生産、販売 (市場) までイノベーション・サイクルにかかわる一連のプロセス全体を網羅し、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラです。つまり、「市場調査・ニーズの特定」、「過去情報や手順の検索」「ラボテストの実施」「製品・処方の確定」「少量生産テスト」「商業生産処方・プロセス確定」「生産ノウハウ蓄積」「品質不良原因解析」など各プロセスで発生する、情報探索、実験・検証、データの記録など多くの作業の効率化を図ると同時に、プロセスをまたがる情報を速やかに共有できるようにするインフラが求められています。こうしたインフラを構築する際に直面する課題を解決するソリューションをマクロソフトは数多く提供しています。

研究開発から生産、販売 (市場) までイノベーション・サイクルにかかわる一連のプロセス チャート図

高度な検索機能を数多く提供

例えば、研究開発の起点となる「市場調査、ニーズの特定」のプロセスでは、膨大な過去の蓄積データから有意義な情報を素早く見つける必要があります。ここでは、クラウド・コンピューティング・プラットフォーム「Microsoft Azure」に組み込まれている高度なクラウド検索サービス「Azure Cognitive Search」が役立つでしょう。Azure Cognitive Search は、Web API 経由で利用できるサービスとして提供している Azure Cognitive Service に含まれている機能の 1 つです。高度な機械学習技術を使用してユーザーの意図を的確に把握したうえで、その意図と関連性の高い情報を素早く検出することができます。

検索については「Microsoft Graph API」も強力なツールです。Azure 上に蓄積した多様な情報を横断的に検索する機能を提供します。情報間のつながりを管理する機能を備えており、1 つの情報から関連する別の情報を容易に引き出せるのが特長です。つまり、個々の情報の価値だけでなく、大きな可能性を秘めた情報間のつながりを、この API の機能を利用して見出すことができます。ベテランの研究者ならば、経験を基に 1 つの情報から関連する有意義な情報を手繰り寄せることができます。つながりを管理することで、こうしたベテランの思考に近い方法で、情報を収集することができるわけです

2000 年にアクセンチュアとマイクロソフトにより設立したアバナードが開発した検索エンジン「Avanade Intelligent Explorer」も検索の効率化に貢献するソリューションです。AI (人工知能) と OCR (Optical Character Recognition/Reader) 機能が実装されており、紙などに描かれたフィジカルな情報も PDF 化しておけば、検索して簡単に必要な情報を引き出すことができます。この機能を利用することでフィジカルなメディアを使って残した過去のデータを検索する作業を大幅に効率化できるでしょう。

データ活用・共有のためのアプリ開発も支援

Microsoft 社が提供しているローコード開発環境「Power Platform」で提供しているアプリ開発用サービス「Power Apps」は、一連のイノベーション・サイクルの中におけるデータ活用の促進に貢献するでしょう。Power Apps は、最小限の知識でプログラミングができるローコードを使って、カスタムアプリを開発する環境を提供します。なかでも便利なのが、あらかじめ用意されたパーツを利用することで簡単にアプリが作成できる「キャンパスアプリ」です。これを利用することで、データ管理や整理など必要な作業を自動化するアプリを素早く、簡単に開発できます。現場のニーズに応じたアプリを用意することで、研究開発にかかる作業の効率化を進めることができます。

このほかにも、プロジェクト全体の動きを可視化するツール「Power BI」や機械学習機能を提供する「Azure Machine Learning」も Azure の機能として用意しています。一連のプロセス全体のソース、バージョン、メトリクスを管理するインフラとして、開発者と現場が密接に連携することを可能にする環境「DevOps」を実現するソリューションも提供しています。さらに、コラボレーションプラットフォーム「Teams」や、ヘッドマウントディスプレイ「Hololens」を使った MR (複合現実) の技術も、プロジェクトにかかわるメンバーのコラボレーションに役立ちます。

こうしたさまざまなソリューションを活用してインフラを構築し、企業全体の研究開発を支えるプラットフォームを構築することで、研究開発の効率化進め、イノベーション・サイクルの高速化を進めることができるはずです。つまり、DX による新たな事業価値の創出の機会を一段と高めることができるでしょう。

(監修:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。
前編「製造業 DX に聖域なし、研究開発業務のデジタル変革が加速

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