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2026/07/06

コーポレート トランスフォーメーションに取り組むりそなグループ。Copilot Studio を活用した AI エージェントで、人と AI が協働する価値創造型の働き方へ

「リテールNo.1 ~お客さま・地域社会にもっとも支持され、ともに未来へ歩み続けるソリューショングループ~」を目指すりそなグループ。多様化・高度化するお客さま、地域社会のこまりごとに応えるために、人と AI が協働する働き方へのシフトを進めている。その具体化として AI エージェントの利用が進みつつあるが、その開発には適用する業務への深い理解が前提となる。そこで、専門スキルがなくても業務の現場で開発でき、安全性・運用効率・拡張性を備えた AI エージェント開発プラットフォームが求められた。

市民開発、統合プラットフォームの観点から、りそなグループはローコード AI エージェント開発プラットフォーム Microsoft Copilot Studio を採用。現場と連携し AI エージェントの開発プロジェクトを開始した。Microsoft Unified のサポートを受けながら融資・住宅ローン・企業年金・iDeCo の 4 領域で AI エージェントを構築。今後は専任エンジニアによる伴走型支援を活用し、AI エージェント活用の更なる加速を図る。

iDeCo の AI エージェントは、営業店を中心に活用が広がっており、問い合わせ業務の効率化・迅速化を着実に推進。今後は、個別要件に対してもきめ細かい回答にまで踏み込めるような向上を図る。融資領域では、ログ分析による改善でさらに正答率を高め、利用拡大を推進。ルーティン業務である照会プロセスを AI エージェントが代行し、本来業務への集中を実現。さらに、業務拡大や Microsoft Teams 連携、マルチ エージェント化など活用を広げ、お客さまや地域の発展に貢献していく。

Resona Holdings

生成 AI と市民開発で進める業務変革と新たな価値の創造

多様化・高度化するお客さま、地域社会のこまりごとに応えるために、りそなグループはその想いを明文化しました。りそなグループパーパス「金融+で、未来をプラスに。」は、金融に軸足を置きながら、金融の枠にとどまらない発想で新たな付加価値を追求していく姿勢をあらわしたものです。また、長期ビジョン「リテールNo.1 ~お客さま・地域社会にもっとも支持され、ともに未来へ歩み続けるソリューショングループ~」を掲げました。

りそなグループは、パーパス、長期ビジョンの達成に向けて CX (コーポレート トランスフォーメーション) に取り組んでいます。CX を加速するためには、「生成 AI を活用し人と AI が協働する価値創造型の働き方」へのシフトが必要です。その具体化に向けて 2025 年 5 月に日本マイクロソフトと戦略的枠組みに関する契約を締結しました。同枠組みは、通常のシステム導入支援を超え、人財育成から業務変革まで包括的に取り組むパートナーシップです。

りそなグループの生成 AI 活用について、りそなホールディングス IT企画部 グループリーダー 加藤 太郎 氏は話します。「まず第 1 段階でグループの全従業員が対話形式の生成 AI を日常的に活用し、第 2 段階で生成 AI による業務代行を目指し、第 3 段階でお客さまに対する新しい価値創造に生成 AI を活用していくという方向で進んでいます。現在は、第 2 段階です。これまでの DX ではできなかったことが生成 AI により可能になりつつあり、生成 AI を軸に業務自体の再構築にも取り組んでいます」

第 2 段階では、業務を代行する AI エージェントを開発します。業務変革を伴うため、その開発では業務部門による市民開発が求められます。業務の現状を知らなければ、実務に役立つ AI エージェントを開発できないからです。りそなグループが選択したのは、マイクロソフトのローコード AI エージェント開発プラットフォーム Copilot Studio でした。

加藤 太郎 氏, IT企画部 グループリーダー, 株式会社りそなホールディングス

“AI エージェントの開発は、1 つのプラットフォームで完結することを重視しました。運用管理やセキュリティ、ガバナンスなどの観点からも、マイクロソフトのソリューションの中で考えることは効率的かつ効果的です。”

加藤 太郎 氏, IT企画部 グループリーダー, 株式会社りそなホールディングス

Copilot Studio と伴走支援で進める AI エージェント開発と活用

りそなグループが目指す「人と AI が協働する働き方」において、Copilot Studio を採用した理由について加藤 氏は振り返ります。「背景には、戦略的提携がありますが、それだけではありません。2024 年に、老朽化した既存の他社製グループウェアを刷新するために導入した Microsoft 365 E5 と Copilot Studio の親和性もポイントとなりました。またグループ全従業員による生成 AI 活用の観点では、アカウントを持っているという点もアドバンテージでした」

加藤 氏はさらに、「AI エージェントの開発は、1 つのプラットフォームで完結することを重視しました。運用管理やセキュリティ、ガバナンスなどの観点からも、マイクロソフトのソリューションの中で考えることは効率的かつ効果的です」と話し、こう付け加えます。「一歩先行くマイクロソフトの生成 AI を SaaS で利用できるのは、現在だけでなく将来性も期待できます。高度な技術スキルがなくてもわかりやすい UI (ユーザー インターフェース) で AI エージェントを構築できるため市民開発に適しており、RAG (検索拡張生成) により社内データを活用し試行してみることにしました」

2024 年度から、ユーザーの入力に対してどのような回答が生成されるのかなど、Copilot Studio を使った検証を開始。当初、Copilot Studio をどのように使うのかもわからなかったと、りそなホールディングス IT企画部 安田 花梨 氏は話し、こう続けます。「マイクロソフト製品の専門家による包括的サポート『Microsoft Unified』によるワークショップを通じて Copilot Studio の操作や使い方を、身をもって学びました。Copilot Studio は、基本的に日本語の自然言語で指示を出すと、AI エージェントが理解し動いてくれます。Copilot と会話をしながらエージェントをつくることもできます」

IT企画部と業務部門が一体となり AI エージェント活用プロジェクトをスタート。「AI エージェントの導入効果がわかりやすい照会業務の代行に焦点を当て、照会頻度が高いことで悩む部門に声掛けをし、参加を促しました」(安田 氏)

同プロジェクトでは、週 1 回メンバーが集まって進捗状況の報告や課題共有を行いました。Copilot Studio による AI エージェント開発では、実行したいことを言語化し、どのような仕組みでエージェントに落とし込んでいくかといった情報整理が必要となります。その点に関しては、 IT企画部とプロジェクトに参加した各部門が二人三脚で取り組みました。

最初に、各部門の担当者に対し勉強会を実施。その後、実際に手を動かす中で各部門から「もっとユーザーにわかりやすくしたい」「参照元の文章を表示したい」などの要望が出てきました。それらをIT企画部がまとめ、Microsoft Unified のサポートを受けながら一緒に解決しました。IT企画部が窓口となったのは、銀行業務に関する専門用語や、銀行特有の表現などを、マイクロソフトのエンジニアに理解できる言葉に翻訳する役割とともに、内製化に向けてナレッジを蓄積し横展開するためです。

安田 氏は、「AI エージェントを構築し Web アプリで動かすとエラーが出ることもありました。そのたびに Microsoft Unified に連絡し解決に導いてもらいました。最新情報の提供、ミーティングの開催など、Microsoft Unified による伴走支援があったからこそ、かたちにできたと感じています」と付け加えます。

安田 花梨 氏, IT企画部, 株式会社りそなホールディングス

“マイクロソフト製品の専門家による包括的サポート『Microsoft Unified』によるワークショップを通じて Copilot Studio の操作や使い方を、身をもって学びました。Copilot Studio は、基本的に日本語の自然言語で指示を出すと、AI エージェントが理解し動いてくれます。Copilot と会話をしながらエージェントをつくることもできます。”

安田 花梨 氏, IT企画部, 株式会社りそなホールディングス

AIエージェント活用で得た知見をもとに進める精度向上と段階的な活用拡大

Copilot Studio を使った AI エージェント活用プロジェクトでは、実際の開発と運用を通じて多くの知見とノウハウが蓄積されました。iDeCo (個人型確定拠出年金) に関する AI エージェントについて、りそな銀行 信託年金企画部 江藤 真輝 氏は次のように説明します。

「従来、営業店の担当者は掛金の上限や拠出ルール、加入資格条件などを確認する際、社内のサポートデスクに問い合わせていました。これらの回答業務を AI エージェントが代行する仕組みです。当初はナレッジを大きな単位で投入していましたが、ハルシネーションが発生することもあり、回答を実用レベルとみなすことが出来ませんでした。そこでナレッジの構造を見直すとともに、ツリー形式で質問を細分化し、利用者が選択しながら問い合わせ内容を最適化できるようにしました」

こうした取り組みを進める中で、エージェントの開発および精度検証・評価を目的に、営業店の担当者と定期的にミーティングを実施。実際の利用シーンに即した検証を重ねる過程で、現時点ではすべての問い合わせを AI エージェント単体で解決するのは難しいという判断に至ったと江藤 氏は話し、こう続けます。「どの段階を現時点での正解として AI エージェントを活用するかを議論しました。結論は、一般回答レベルとして AI エージェントを活用し、そこで難しい場合、過去にサポートデスクに問い合わせがあった内容などを、自然言語で Q&A 検索が行える仕組みを実装しました」

iDeCo の AI エージェントは 2025 年 11 月にリリースされ、営業店を中心に活用が広がっています。「最初に AI エージェントに質問し、わからなかった場合に Q&A 検索、サポートデスクに連絡するといった使い方が多いと思います。今後ログを分析し、さらに細かいところまで AI エージェントが回答できるように検討中です」(江藤 氏)

江藤 真輝 氏, 信託年金企画部, 株式会社りそな銀行

“従来、営業店の担当者は掛金の上限や拠出ルール、加入資格条件などを確認する際、社内のサポートデスクに問い合わせていました。これらの回答業務を AI エージェントが代行する仕組みです。当初はナレッジを大きな単位で投入していましたが、ハルシネーションが発生することもあり、回答を実用レベルとみなすことが出来ませんでした。そこでナレッジの構造を見直すとともに、ツリー形式で質問を細分化し、利用者が選択しながら問い合わせ内容を最適化できるようにしました。”

江藤 真輝 氏, 信託年金企画部, 株式会社りそな銀行

融資に関する AI エージェントの活用も、照会業務の効率化を期待できる領域です。「従来は、営業店の担当者が規則に関するデータベースにアクセスし、キーワード検索をしていました。本部への問い合わせも多く、融資担当者も本部も両方に負荷がかかっていました。融資に関する規則は膨大で、なおかつ誤った回答は許されません。ここでは特に、回答の精度と効率性の向上を目的に、カテゴリーの細分化などを工夫しました」と、りそなホールディングス 信用リスク統括部 担当マネージャー 布施 雄多 氏は話します。

融資の AI エージェントも 2025 年 11 月にリリース。ログ分析をもとに改善サイクルを回しながら、本格利用に向けて、精度向上と活用拡大を進めています。

「IT企画部の支援のもと、ログから『質問と回答の内容』『満足か不満足か』などの項目を収集・分析しています」と、りそなホールディングス 信用リスク統括部 グループリーダー 宮坂 佳吾 氏は進行状況について説明し、こう続けます。「その分析結果をもとに、私たちで模範解答を作成し、それを AI エージェントに学習させることで、回答精度の向上に取り組んでいます」

そのほかにも、住宅ローンに関する AI エージェント (住宅ローン各種商品内容、手続確認など)、企業年金に関する AI エージェント (印鑑届の記入方法、届出印鑑の変更手続の確認など) の構築にも取り組んでおり、活用領域の拡大が進められています。

宮坂 佳吾 氏, 信用リスク統括部 グループリーダー, 株式会社りそなホールディングス

“IT企画部の支援のもと、ログから『質問と回答の内容』『満足か不満足か』などの項目を収集・分析しています。その分析結果をもとに、私たちで模範解答を作成し、それを AI エージェントに学習させることで、回答精度の向上に取り組んでいます。”

宮坂 佳吾 氏, 信用リスク統括部 グループリーダー, 株式会社りそなホールディングス

安全性を担保しながら進める AI エージェント活用の定着と拡大

AI エージェントの活用では、安全性の確保が前提となります。りそなホールディングス IT企画部では、金融機関として遵守すべきルールや手続きなどに基づき、生成 AI 活用ガイドラインを整備しています。「当社のセキュリティ部門と密に連携し、細部にわたって安全性を議論しセキュリティ要件に応えています。またMicrosoft Unified から、Copilot Studio や同じくマイクロソフトのローコード開発プラットフォームである Microsoft Power Platform の機能について助言を受けることで、セキュリティを担保しつつも過度な制約とならない『ガードレール』的視点を意識しています」(安田 氏)

ルーティン業務である照会プロセスを、AI エージェントが担うことで、営業店や本部の担当者はより付加価値の高い業務に集中できる環境が整いつつあります。これは、人と AI が協働する価値創造型の働き方への転換に向けた重要な一歩といえます。加藤 氏は今後の展望についてこう語ります。

「今後、AI エージェントの活用シーンをさらに広げていきます。ハッカソンの開催による利用促進に加え、社内マーケティングによる認知の拡大、Teams を活用したコミュニティの活性化、成功モデルの横展開などを通じて、AI エージェント文化の定着を図っていきたいと思います。さらに、生成 AI 活用をリードできる人材を育成する『Resona GenAI Academy』を立ち上げました。すでに第 1 期が終了し、今後も継続していく計画です。また、生成 AI 活用をスピードアップするために、マイクロソフトの Copilot Agent Development Program による伴走支援も活用し、プロトタイプ開発をはじめとした業務への AI 実装・最適化を加速させます」

生成 AI の活用においては、マイクロソフト製品を組み合わせて使うことで、その可能性が大きく広がっています。「Copilot Studio と Outlook や Teams との連携、マルチ エージェント構造を活用することによって 1 つのエージェントがさまざまな問い合わせに対応してくれるなど、AI エージェント活用の幅をさらに拡大していきたいと考えています」(加藤 氏)

「リテールNo.1 ~お客さま・地域社会にもっとも支持され、ともに未来へ歩み続けるソリューショングループ~」を目指し、変革を進めるりそなグループ。Copilot Studio を基盤とした AI エージェントの活用により、人とAIが協働する価値創造型の働き方を進化させています。今後も活用領域の拡大とより質の高い顧客体験の実現を目指し、お客さまへの提供価値を高め、サービスのさらなる向上と地域社会への貢献につなげていきます。

布施 雄多 氏, 信用リスク統括部 担当マネージャー, 株式会社りそなホールディングス

“従来は、営業店の担当者が規則に関するデータベースにアクセスし、キーワード検索をしていました。本部への問い合わせも多く、融資担当者も本部も両方に負荷がかかっていました。融資に関する規則は膨大で、なおかつ誤った回答は許されません。ここでは特に、回答の精度と効率性の向上を目的に、カテゴリーの細分化などを工夫しました。”

布施 雄多 氏, 信用リスク統括部 担当マネージャー, 株式会社りそなホールディングス

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