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2026/04/01

大成建設が「AI Landing Zone」によって Azure 上に AI-Ready なデータ基盤を構築、AI 利活用を加速する

2024 年 5 月に策定した【TAISEI VISION 2030】達成計画で、デジタル ツイン (BIM/CIM + IoT)、AI、リモート技術をコア技術として掲げ、全社 DX 戦略を進めている大成建設グループ。構造化データ基盤として 2022 年度から運用している「統合データプラットフォーム:Taisei-DaaS」を非構造化データも扱える基盤にアップデートすると共に、AI アプリ開発の共通コンポーネントを集約した「AI 共通基盤」を整備することで、AI 利活用の加速を目指しています。

AI-Ready な基盤をどう構築すべきか、Taisei-DaaS の構築にも参画していたマイクロソフトに相談。そこで提案されたのが「AI Landing Zone」でした。大成建設はその提案にもとづき、マイクロソフトと共にアーキテクチャを検討。さらに PoC を実施し、その有効性を確認後、基盤の構築に着手します。実際のシステム設計と構築は、Taisei-DaaS を構築した富士通が担当。非構造化データを集約・活用し、全社で AI を利活用するための全社 AI 基盤の構築に取り組んでいます。

全社 AI 基盤の提供を 2026 年 1 月に開始。まだリリースから間もないため、定量効果は計測できていませんが、建設ライフサイクルの中で発生するさまざまな非構造化データを集約できる基盤が確立できたと評価されています。今後はこれを共通基盤として活用することで、AI アプリの開発期間を短縮すると共に、コストも削減できると期待されています。またガバナンスや規約も整備し、MCP や A2A の活用も視野に入れていきたいと考えています。

Taisei Corporation

コア技術として掲げられた 3 本柱、その実現には非構造化データの集約基盤が必須

日本を代表する大手総合建設会社 (スーパーゼネコン) の一つであり、土木・建築事業、都市開発事業、エンジニアリング事業、環境・エネルギー関連事業まで、幅広いビジネスを手掛けている大成建設株式会社 (以下、大成建設)。グループ理念である「人がいきいきとする環境を創造する」を追求し、自然と調和した、次世代の夢と希望に溢れた社会づくりに貢献しています。現在は、中長期的に目指す姿【TAISEI VISION 2030】を確実に達成すべく、2024 年 5 月に策定した【TAISEI VISION 2030】達成計画のもと、さまざまな取り組みを進めています。

「この【TAISEI VISION 2030】達成計画においては、DX を支える技術基盤となるコア技術を定義しています」と語るのは、大成建設 社長室 DX戦略部で DX推進室長を務める林 秀明 氏。それは、デジタル ツイン (BIM/CIM + IoT)、AI、リモート技術の 3 つだと説明します。「これらのコア技術を最大限に活かし、変革へとつなげるためには、当社の技術や知見という『経営資源』をデータとして蓄積・活用することが必須となります」。

構造化データに関してはすでに、マイクロソフトのテクノロジーを活用した「統合データプラットフォーム:Taisei-DaaS」を構築済み。しかし AI を利活用していくには、非構造化データを集約する基盤も必要になると指摘します。

「以前は非構造化データが 部門ごとに Microsoft SharePoint やファイル サーバーに分散保管されており、統一的な管理ルールが存在しないため、検索性が低下し、業務効率に影響を及ぼしていました。また未だに紙文化も残っています。これらのデータを一箇所に、AI-Ready な状態で集約すべきだと考えていました」。

林 秀明 氏, 社長室 DX戦略部 DX推進室長, 大成建設株式会社

“建設ライフサイクルの中では、さまざまなデータが発生します。これらを一箇所に集め、利活用できる状態にすることを目指したのが、今回構築した全社 AI 基盤です。これまでも事業部門のニーズに合わせ RAG などの構築はしてきましたが、毎回個別に基盤から構築していたため、開発期間が長期化するという問題がありました。今後はマイクロソフト製品で構成された AI 共通基盤を活用することで、開発期間の短縮はもちろんのこと、コストメリットも生まれると期待しています。”

林 秀明 氏, 社長室 DX戦略部 DX推進室長, 大成建設株式会社

マイクロソフトの提案内容を PoC で確認した上で新たなデータ基盤の構築へ

2024 年 3 月に「AI 戦略書」の策定を開始し、翌月には非構造化データも集約できる新たなデータ基盤の企画に着手。Taisei-DaaS の構築でもアドバイザーとして参加していたマイクロソフトに、その実現をどうすべきなのか、相談を持ちかけます。その中でマイクロソフトは、Microsoft Azure 上で AI サービスやワークロードを安全・効率的・スケーラブルに展開・運用するための、標準化された環境基盤である「AI Landing Zone」を提案。そのコンサルタントとしてプロジェクトに参画することになります。

2024 年 7 月にはアーキテクチャの検討を開始。2024 年 10 月から、そのアーキテクチャの PoC が行われます。ここで、ドキュメント管理で使われている SharePoint から必要なデータを抽出できるのか、そのデータを AI-Ready な状態にできるのか、最終的に Taisei-DaaS への保管が可能なのか、そして実用的な検索が行えるのか、などが検証されていきました。

その後、設計・構築パートナーとして富士通が参加し、要件定義、基本設計、詳細設計、構築、テストを実施。2026 年 1 月に全社 AI 基盤としてリリースされ、現在も機能拡張などを進めています。

木村 彰宏 氏, 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング 室長, 大成建設株式会社

“AI という分野は成長スピードが早く、現時点での最新トレンドも数年後、場合によっては数か月後には廃れている可能性があります。そのため、この分野で先行しているマイクロソフトとは、これまで以上に密な情報交換を行い、最新状況に取り残されることがないようにしなければなりません。今後も各プロジェクトにおいて統合的な支援をお願いしたいと思います。”

木村 彰宏 氏, 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング 室長, 大成建設株式会社

「経営資源」をデータとして整備し、 AI 利活用を加速

全社 AI 基盤のシステム構成について、大成建設 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング 室で課長代理を務める関口 拓希 氏は、次のように説明します。

「今回構築した全社 AI 基盤は、大きく 3 つの基盤で構成されています。第 1 がドキュメント基盤、第 2 が AI 共通基盤、そして第 3 が文書管理基盤です。このうち、前者 2 つは AI Landing Zone で実現されています。『ドキュメント基盤』に非構造化データを AI-Ready な状態で集約することで「経営資源」をデータとして活用できる基盤を整備すると共に、『AI 共通基盤』によって AI アプリ開発のスピードアップと低コスト化を目指しています」。

実際の構築を担当した富士通の乾 将志 氏は「今回の基盤設計で重視したのは、さまざまな業務で利用可能な汎用性の高いものにすることでした」と語ります。そのため、全社 AI 基盤を活用するプロジェクト側に利用シーンをヒアリングしながら、汎用的な要件を抽出していったと振り返ります。

同じく構築兼マネジメントを担当した富士通の星野 良介 氏は、次のように述べています。

「すでに利用技術も固まっており、マイクロソフトのお墨付きがある状態だったので、安心して設計に着手することができました。実機検証や構築段階でもマイクロソフトのサポートを受けることができたため、心強い状態で計画通りにプロジェクトを進めることができました」。

関口 拓希 氏, 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング 室 課長代理, 大成建設株式会社

“今回構築した全社 AI 基盤は、大きく 3 つの基盤で構成されています。第 1 がドキュメント基盤、第 2 が AI 共通基盤、そして第 3 が文書管理基盤です。このうち、前者 2 つは AI Landing Zone で実現されています。「ドキュメント基盤」に非構造化データを AI-Ready な状態で集約することで「経営資源」をデータとして活用できる基盤を整備すると共に、「AI 共通基盤」によって AI アプリ開発のスピードアップと低コスト化を目指しています。”

関口 拓希 氏, 社長室 情報企画部 ICTコンサルティング 室 課長代理, 大成建設株式会社

AI-Ready なデータ基盤の構築パートナー選択で重視したポイント

それではなぜ大成建設は、AI-Ready なデータ基盤を構築するプロジェクトで、マイクロソフトと富士通をパートナーに選んだのでしょうか。

まずマイクロソフトについては、大きく 3 つの理由が挙げています。第 1 が、大成建設の業務がほぼすべてマイクロソフト製品で動いていること。第 2 が、統合データプラットフォームである Taisei-DaaS の構築に参画していたこと。第 3 が、マイクロソフトなら「先進技術を用いた最適なアーキテクチャを提案するノウハウがある」と評価されたことです。

「最終的には、すでに構築されていた Taisei-DaaS にデータを集約したいと考えていました。またマイクロソフトであれば、AI-Ready なデータを整備するためのテクノロジーも揃っています。そのためマイクロソフトに支援をお願いするのが最善だと判断しました」 (林 氏)。

また、AI Landing Zone のコンサルティングについて、大成建設ICTソリューションズ 第三開発保守部でチームリーダーを務める辻 征 氏は、次のように述べています。

「マイクロソフトの AI Landing Zone に関するコンサルティングは、これまで経験してきた他社のコンサルティングとは大きく異なっています。As Is/To Be の整理から要件定義までではなく、その先の基本設計や PoC、構築・運用時の問題解決までカバーしているのです。また自社製品で自信を持って提案していただけたことも、重要なポイントだと感じています」。

一方、富士通をパートナーに選んだのは、Taisei-DaaS の構築を担当したことと、その際の支援内容に満足していたことが挙げられています。

「富士通様には 2021 年の Taisei-DaaS 構築当初からご支援いただき、全体像をしっかり理解されています」と木村 氏。「設計内容や構築作業の品質が高く、期待以上の成果を出していただいています。今回も、信頼できるパートナーとしてご支援をお願いすることとしました」。

岩橋 平久 氏, 社長室 DX戦略部 DX推進室 主任, 大成建設株式会社

“これからさまざまな AI エージェントが生まれてくると思いますが、今回構築した全社 AI 基盤はこれらのエージェントを下支えする存在になるでしょう。これまでは個別基盤を構築した上で AI アプリを作成していましたが、今は AI 共通基盤が使えるので、開発は一気に加速するはずです。今後はガバナンスや規約も整備し、MCP や A2A の活用も視野に入れていきたいと考えています。”

岩橋 平久 氏, 社長室 DX戦略部 DX推進室 主任, 大成建設株式会社

建設ライフサイクルで発生するさまざまなデータを、今後はすべてこの基盤に集約

今回構築された全社 AI 基盤は、社内リリースされたばかりです。そのため効果を定量的に評価することはまだ難しい状況ですが、次のようなメリットが期待できると林 氏は語ります。

「建設ライフサイクルの中では、さまざまなデータが発生します。これらを一箇所に集め、利活用できる状態にすることを目指したのが、今回構築した全社 AI 基盤です。これまでも事業部門のニーズに合わせ RAG などの構築はしてきましたが、毎回個別に基盤から構築していたため、開発期間が長期化するという問題がありました。今後はマイクロソフト製品で構成された AI 共通基盤を活用することで、開発期間の短縮はもちろんのこと、コスト メリットも生まれると期待しています」。

また、大成建設ICTソリューションズで第三開発保守部長を務める松田 豊道 氏は、次のように述べています。

「現在はまだスモール スタートを切った段階であり、非構造化データを集めている最中ですが、当初思い描いていた通りの基盤が構築できたと感じています。基盤としての本格的な活用はこれからですが、すでに並行して業務システムでも AI を使いたいという話が出ています。このような要望に対応できる下地が、この基盤によって実現できました」。

松田 豊道 氏, 第三開発保守部長, 大成建設ICTソリューションズ株式会社

“現在はまだスモール スタートを切った段階であり、非構造化データを集めている最中ですが、当初思い描いていた通りの基盤が構築できたと感じています。基盤としての本格的な活用はこれからですが、すでに並行して業務システムでも AI を使いたいという話が出ています。このような要望に対応できる下地が、この基盤によって実現できました。”

松田 豊道 氏, 第三開発保守部長, 大成建設ICTソリューションズ株式会社

成長スピードが著しい AI、マイクロソフトとはこれまで以上に密な情報交換を

大成建設 社長室 DX戦略部 DX推進室で主任を務める岩橋 平久 氏は、全社 AI 基盤の近未来について次のように語ります。

「これからさまざまな AI エージェントが生まれてくると思いますが、今回構築した全社 AI 基盤はこれらのエージェントを下支えする存在になるでしょう。これまでは個別基盤を構築した上で AI アプリを作成していましたが、今は AI 共通基盤が使えるので、開発は一気に加速するはずです。今後はガバナンスや規約も整備し、MCP や A2A の活用も視野に入れていきたいと考えています」。

最後に木村 氏は、マイクロソフトへの期待を次のように述べています。

「AI という分野は成長スピードが早く、現時点での最新トレンドも数年後、場合によっては数か月後には廃れている可能性があります。そのため、この分野で先行しているマイクロソフトとは、これまで以上に密な情報交換を行い、最新状況に取り残されることがないようにしなければなりません。今後も各プロジェクトにおいて統合的な支援をお願いしたいと思います」。

辻 征 氏, 第三開発保守部 チームリーダー, 大成建設ICTソリューションズ株式会社

“マイクロソフトの AI Landing Zone に関するコンサルティングは、これまで経験してきた他社のコンサルティングとは大きく異なっています。As Is/To Be の整理から要件定義までではなく、その先の基本設計や PoC、構築・運用時の問題解決までカバーしているのです。また自社製品で自信を持って提案していただけたことも、重要なポイントだと感じています。”

辻 征 氏, 第三開発保守部 チームリーダー, 大成建設ICTソリューションズ株式会社

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